掲載されました!ドクターズファイル2018

ドクターズファイルに掲載されましたので記事を添付しておきます。

お時間あるかたはお読み下さい。

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名古屋市営地下鉄名城線黒川駅から徒歩7分、スーパーの2階に位置する医療・介護モール「VITA黒川」の一角に「セタクリニック」は位置する。瀬田浩之院長は日本形成外科学会形成外科専門医の資格を有するとともに、整形外科や内科など、多岐にわたる研鑽を積み上げてきた経験豊富なドクターだ。「全人的な医療」の提供をめざし、一般診療に加え美容医療にも熱心に取り組む。患者一人ひとりが、健康的に若々しく、望む生活を送れるようサポートする瀬田院長に、診療に対する思いを語ってもらった。
(取材日2018年5月16日)

さまざまな経験から自身のめざす医療を開拓

―医師を志し、形成外科をご専門とされたきっかけを教えてください。

小さい頃は病気がちで、病院や医師は身近な存在でした。その影響があってか、小学校の文集では「将来は医師になる」と書いていたようです。文集のことは正直忘れていたのですが(笑)、医師になった後、当時の同級生から「本当に医師になったんだね」と言われて、そんな昔から医師をめざしていたんだなと気づかされました。形成外科を専門にしようと決めたのは、宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)在学時に臨床実習で目にした、再建手術がきっかけです。患者さんご自身の体の一部を使った再建手術や乳房の再建手術など、今でこそ当たり前になっているものですが、当時では画期的なものでした。より深く学んでみたいと、大学卒業後は名古屋大学の形成外科の教室に入局し、愛知県内の病院でさまざまな研鑽を積ませていただきました。

―先生は形成外科だけではなく、整形外科でもご研鑽を積まれたとか。

名古屋大学の医局の教授が、もともと整形外科と歯科口腔外科を専門としていたこともあって、「君も整形外科の経験を積みなさい」と進言され、当時勤務していた豊橋市民病院では整形外科と形成外科、双方に携わることとなりました。整形外科と形成外科は、名前の印象こそ似ていますが、分野としてはまったく異なります。整形外科は骨や関節などの運動器の機能を維持・回復させることに主眼の置かれた医療。対して形成外科は、見た目はもちろん組織としても形態・機能的に修復する医療です。まったく異なるものと言える一方で、整形外科領域で悩みを抱えている人の中には、形成外科領域でも悩みを抱えている場合もあり、すべてを切り離せるものではありません。どちらも学んできたことは、現在の診療にも生かされていると感じますね。

―開業の経緯について教えてください。

一番のきっかけは、岐阜県揖斐郡のクリニックで院長を任されたことでした。恩師から「若手ドクターでクリニックをやってみないか」とお誘いを受け、実際に院長を務めたことで「一から自分のクリニックをつくりたい」と考えるようになり、同時にめざす医師像・診療スタイルが明確になっていきました。そのクリニックは、形成外科と整形外科、そして内科を標榜し、中心街より離れているもののMRIやCTなどの検査設備、画像読影のシステムが導入されているなど、当時ととしては先進的な環境が整備されていました。また、ともに働くドクターはそれぞれ専門が異なる上に、私よりも経験豊富な方々。そんな方たちと、診療科目の垣根を超えて、肩を並べて切磋琢磨しながら診療を行う日々はとても刺激的なものでした。そして院長就任から3年の後、院長を退き佐藤病院での勤務を経て当院を開業しました。

病気を診るのではなく、人を診る

―貴院の診療方針とはどのようなものでしょうか?

全人的な医療、いわゆるプライマリケアを重視した診療を行っています。これまでさまざまな経験を積んできた中で、「専門“だけ”を診る医療」に疑問を抱くこともありました。もちろん専門的な医療の提供も必要なものです。でも私個人としては、それを良しとはできなくて。専門的な医療を提供することはもちろん、何でも診ることのできる医師になる。これまでの経験から、そう志すようになりました。開業前に佐藤病院で勤務したのも、全人的な医療を提供する立場として、自分に足りない技術をきちんと身につけたいと考え、これまで学ぶ機会のなかった胃カメラの技術を勉強させてもらうためでした。加えてプライマリケアについても専門的に勉強し、どちらも目標に到達できたことで、満を持して開業に至ったわけです。設備の都合上、当院に胃カメラを導入することはできませんでしたが、いい経験を積むことができました。

―現在の患者層について教えてください。

現在は整形外科が5割ほど、皮膚科と形成外科を合わせて3割程度、2割が内科の診療です。内科は標榜していないのですが、整形外科や形成外科の診療をしている中で、内科的疾患を見つけ、それを継続的に診ていったことで現在の割合にまでなった、というかたちです。整形外科の患者さんの多くは年齢を重ねている方ですので、何かしら内科的な悩みも抱えているでしょうし、健康的に若々しくありたいといった、美容など形成外科が得意とする分野に関する相談をしたいと思っていることも少なくないかと思います。そう考えると、整形外科を入り口にいろいろと診ていく、というのはいいきっかけになると感じています。もちろん、必要に応じですぐに適切な医療機関へ送り出すこともあります。そういった点で、黒川はとても利便性が良いんですよ。医療センターや総合病院と近いですからね。

―患者さんと向き合う際に心がけていることは何ですか?

しっかりと話を聞き、求めていることが何かを理解することですね。開業医に求められるのは、何でも話を聞いてその場で一番適切な答えを出してあげること。そうでなければ、「相談して良かった」とはなりませんからね。そして、常に患者さんを自分の家族のように考え診療しています。「この症状に対して、どうするべきか」ではなく、「自分の家族だったら、どうしてほしいか」といったところに主眼を置く、といったように。できる限り要望に沿えるようにすることもあれば、時には、患者さんの将来を見越して、すぐに治療をすべきではないと進言することもありますよ。診療において、診るべきは症状ではなく、人そのものです。それを忘れず、その人にとって一番適切な答えを出していくことが大切と考えています。また、患者さんが求めるのはQOL(生活の質)の向上です。それに自分がどう寄与できるか。それを考え実践していくことが重要だと考えています。

常に向学心を持ち、診療を通して還元していく

 

―診療を支えるスタッフの皆さんの存在も大きなものかと思います。

ナース、メディカルスタッフ、ともに非常に優秀で、たいへん恵まれていると感じます。たくさんの患者さんが来院する

中で、診察前に私に代わって患者さんの相談内容を確認してくれたり、医師に話しづらいことを聞き出してくれたりしているおかげで、すごくスムーズに診療が進められています。また、女性の患者さんの場合、男性医師に体を見られることや触られることに抵抗のある方もいらっしゃいますから、診察中も彼女たちの手を借りて、患者さんの気持ちが楽になるようにサポートしてもらっています。皆さん自発的に動いてくれていて、ありがたい限りですよ。

―日々精力的に学び続ける、院長の原動力とは何でしょうか?

自分の家族の存在ですね。4人の父でもありますので、自分自身の家族も支えていけないといけませんから(笑)。でもそれ以上に、医師として常に高みをめざしていきたいと思っているんです。もしかしたら、楽をすることもできるのかもしれませんが、それよりも自ら学ぶ機会をつくり、身につけた知識や技術を治療で患者さんに還元していきたい。その思いが強いのだと思います。

―今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

患者さんのニーズに応えながら、設備や体制を刷新していきたいと考えています。加えて形成外科の専門医として、手術能力を向上していきたいと思っています。現在、火・金曜日のお昼と土曜日の午後に眼瞼下垂や腋臭症、皮弁形成などを行っていて、局所麻酔で対応できる手術に関しては、病院から当院に患者さんを紹介いただくこともあります。クリニックで行う手術としては、件数やできる範囲が広いかもしれませんが、医師としてはまだまだ若手ですし、先輩方に比べたら足元にも及びませんからね。これからも、一人の医師としてできることに熱心に取り組み、患者さんの悩みに応えていきたいと思っていますので、皆さまにも、当院を「何でも相談できる場所」と思っていただければうれしい限りです。

 

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