陥入爪手術 行っています。 感染前に来院してください。

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以下に追記します。

Q2.巻き爪・陥入爪の治療方法について教えてください。

A2.軽症例では爪を伸ばして適切な方法(Q3参照)で切れば改善するケースもありますが、改善しない場合の治療法として「手術療法」と「保存的治療」があります。かつては手術療法が主流でしたが、最近は爪をそのまま生かした保存的治療が増えてきています。以下に主な手術療法(表1)、保存的治療(表2)の内容を示します。なお、下記の治療法はいずれも単独で行われるだけでなく、症状に応じて適宜組み合わせて行われています。

手術療法 表1

 

方法 概要
フェノール法 陥入した部分の爪を切除した後、爪母細胞をフェノール*で焼灼し、爪の幅を狭めることで再発を防ぐ方法。痛みは軽い。欠点として、爪の幅が狭くなって見栄えが悪い、残った爪は巻いたままである、フェノールによる焼灼が不十分な場合は爪母から小爪が伸びて再発することがある、などがある。中等症の陥入爪に適応。*濃度約90%の液状フェノール。局方品でよい。
爪母切除術 鬼塚法(病変部の爪甲側縁・爪母・爪床・側爪郭を側骨間靭帯も含め一塊に切除する手技)、児島法(側爪郭下の側骨間靭帯を温存しつつ爪母を切除する手技)などがある。重症例の陥入爪や巻き爪に適応。

 

 

保存的方法 表2

方法 概要
肉芽に対する刺激を除去 コットンパッキング法 陥入している爪の先端と皮膚の間に米粒大のコットン(綿花)を挿入し、直接刺入を防ぐ方法。大きすぎると爪が割れて逆効果になるので注意が必要。綿花の代わりにソフラチュールなどを用いてもよい。比較的軽症の巻き爪、陥入爪に適応。
テーピング法 幅1~1.5cm、長さ4cm程度の布製の弾性絆創膏やサージカルテープなど固定性の強いテープを用意し、一方の端を側爪郭で固定し、もう一方を反対側に斜めにひっぱるようにらせん状に回して固定する方法。爪が皮膚に刺入することを防ぐことができる。比較的軽症の巻き爪、陥入爪に適応。

 

その他の方法

方法 概要
肉芽に対する刺激を除去 ガター法 爪の長さに合わせて約1cm程度に切った点滴用プラスチックチューブ(直径1.5~2mm)に、縦に溝状の切れ込みを入れ、さらに先端を斜めに切る。陥入した爪に沿わせてチューブを挿入し、アクリル樹脂などで固定する方法。比較的軽症~重症の巻き爪、陥入爪に適応。
肉芽の治療 ステロイド軟膏は収斂作用があり、盛り上がった肉芽を収縮させるために使用する。液体窒素は肉芽組織に圧抵すると、2週間程後にかさぶたとなり剥離することが可能。
爪の形を矯正 人工爪法 深爪のため短く食い込んでいる爪や、変形した爪に、アクリルで作製した人工爪*をのせ、爪が伸びて平らになった状態を形づくる方法。        *アクリル樹脂とアクリル液を反応させ、爪に塗布し作製
爪アイロン法 毛髪用のアイロンの原理を応用して、モスキート鉗子の上刃をアルコールランプなどで熱し、熱くない下刃を爪の下に挿入し、挟んで爪の曲がった部分を平らに伸ばし、液体窒素で冷却、固定する方法。熱による爪のタンパク変性を利用したもので、比較的容易に施行が可能である。
炭酸ガスレーザー法 モスキート鉗子で爪をもち上げ、弯曲度を矯正しながら炭酸ガスレーザーを照射し、爪のタンパク質を変性凝固させ平坦に固定する方法。
40%尿素軟膏による夜間密封療法 40%尿素軟膏(100g中、尿素40g、精製ラノリン20g、白色ワセリン25g、サラシミツロウ5g、シリカゲルH10g;院内製剤として作成)により、爪の角質内水分保有力を上げ軟化させることで巻き爪の弯曲度を軽減し、疼痛を緩和する方法。
ワイヤー法 超弾性ワイヤー法※1 爪の先端に注射針等で穴を開けて、形状記憶合金のワイヤー(マチワイヤ)を通し、ワイヤーがまっすぐに戻ろうとする力で爪の変形を改善する方法。ワイヤーの種類が豊富で、さまざまな硬さの爪に対し適切な矯正力を提供でき、手技が簡単で短時間で治療を行うことができる。ただし、爪甲遊離縁の幅が1~2mm存在することが必要である。
VHO(VirtuosHumane

Orthonyxie)法※2

VHO法はドイツで考案された方法で、金属の細い針金を爪の両脇にひっかけて上に引っ張り、両端をねじり合わせて爪の表面に貼り付ける方法。貼り付けには紫外線を当てると固まるジェルネイルを用いる。VHO法だと爪に穴を開けずにすみ、ワイヤーが外れたり端が飛び出したりすることも少ないので、皮膚を傷つけるリスクが低い。また、爪の真ん中あたりにかけるため、深爪でもワイヤーをかけやすい。矯正力は弱いが、爪がもろくても施術できるのが特徴。簡易版製品(コンビペッド)もあり。
上記他、コレクティオ(リフレプロジャパン:http://www.makitsume.jp/)などの製品もあり。
ステンレスプレート法※1 40~45℃以上の温度で平らになる形状記憶合金製の薄い帯状の金属板(マチプレート)を外科用の接着剤で爪に貼り付け、ヘアドライヤーで1日1~3回温めることで、爪の弯曲を矯正する方法。爪が柔軟でなければ、この方法での矯正は難しい。
B/Sブレイス法(B/S SPANGE法) ※3 特殊なプラスチック製の平らなスプリング板であるB/Sブレイスを接着剤で爪に装着し、その張力を利用して爪の弯曲を矯正し、治癒させる方法。深爪の程度が軽く、爪が柔軟でなければ、この方法での矯正は難しい。ステンレスプレート法と類似の方法であるが、より簡便である。
クリップ法 形状記憶合金のクリップを爪に装着し、爪の変形を改善する方法。比較的軽症の巻き爪に適応。ドクター・ショール巻き爪用クリップ(レキットベンキーザー・ジャパン:http://drscholl.jp/makizume/top.html)などの製品あり。
その他 巻き爪プロテクター(阿蘇製薬:http://www.aso-pharm.co.jp/medical/pursuer/n_protector.html)などが販売されている。

※1:使用製品については多摩メディカルのホームページ(http://tama-medical.com)を参照。

※2:使用に際してはフスウントシュー インスティテュートのライセンスの取得が必要(簡易版製品を除く)。

指定された講習会を受講の上、必要な物品は専門の業者に注文する必要がある。詳細はホームページ(http://www.vho.jp/)参照。

※3:B/S製品は足と靴の研究所(http://www.ashi-kutsu-soudan.co.jp/)などで開催しているセミナー受講者のみの取扱いとなる。

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