こんにちは
先日、消費者庁が「家庭の浴槽での瀕死者数は10年間で約7割増加し、平成26年に4,866人となった。そのうち65歳以上の高齢者が約9割を占めており、高齢者は特に注意が必要」と発表したという記事を読みました。
入浴時の事故の原因の一つがヒートショックです。
ここ数年、ヒートショックのことがメディアでもよく取り上げられているので、知っている方も多いと思います。
ヒートショックとは、急激な温度変化が体に及ぼす影響のことです。
血圧が上下に大きく変動することが原因となり、不整脈、心筋梗塞、脳梗塞などを起こすリスクが高まると言われています。
入浴中の事故は、外気温が低くなり温度差が大きくなる冬季に多く、12月から2月にかけて全体の約半数が発生しています。
安全に入浴するために
①入浴前に脱衣所や浴室を温める
部屋の温度や脱衣所、浴室との温度差を少なくすることが大切です。
脱衣所は、暖房の効いた部屋の暖気が入るようにしたり、また電気式のファンヒーターなどの使用もおすすめです。
浴室はシャワーで壁や床にお湯をかけたり、浴槽のフタを開けておくことで暖めることができます。
また、高齢者や高血圧の方は一番風呂を避け、家族が入浴した直後、浴室が充分暖まってから入浴するようにしましょう。
②湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までに
熱いお風呂は血圧を急上昇させ体に負担がかかります。
また、いきなりお湯につからず、かけ湯などをしてお湯に体を慣らしてから湯船に入るようにしましょう。
③浴槽から急に立ち上がらない
浴槽から急に立ち上がると、脳が貧血状態になり一過性の意識障害を起こすことがあります。
転倒を避けるために、手すりや浴槽のへりを使ってゆっくり立ち上がるようにしましょう。
④飲酒、食事直後の入浴を避ける
アルコールが入った状態での入浴は非常に危険です。
飲酒してすぐ入浴すると、血圧が下がりすぎたり脱水を起こしやすくなります。
⑤入浴する前に同居者に一声かける
入浴中に体調の悪化等の異変があった場合、早急に対応することが重要です。
寒くて体が冷えてしまいがちな冬は、1日の終わりにお風呂で体を温めて、湯船でほっこり一息つく時間を楽しみにしている人も大勢いるのではないでしょうか。
でも、高齢者や高血圧の方にとって冬の入浴は危険と隣り合わせであることを忘れてはなりません。
入浴中は家族であっても目の届かない場所ですので、ご家族の入浴中に「お湯加減はどう?」「大丈夫?」などの定期的な声掛けを習慣づけることをおすすめします。